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専門看護師(CNS)


日本看護協会
専門看護師 徽章

専門看護師とは

専門看護師(Certified Nurse Specialist:CNS)は1950年代に米国で発祥し、医療の進歩、看護教育の発展・整備といった背景から、日本においても看護実践現場におけるスペシャリストの必要性が認められ、1994年に発足した日本看護協会による認定資格制度です。複雑かつ解決困難な患者様・集団に対し、専門的知識と技術をもって問題解決を図る役割を担います。
受験資格は看護師免許取得後、5年以上の実務経験(うち3年以上の専門分野の実務経験)を有し、大学院専門看護師コースを修了後、専門看護師としての実務経験を経て、認定試験を突破することで認定され、5年更新制となっています。13の専門看護分野があり、2017年7月現在、全国で1865名、うち精神看護専門看護師は265名が活躍しています。
当院には1名の精神看護専門看護師が所属し、病棟や外来に所属するのでなく、独立したポジションとして院内を横断的に活動しています。活動拠点として、院内の教育支援室に常駐し、「CNS相談室」を開設して随時スタッフへの個別相談に応じています。

専門看護師の役割

1.直接ケア

ケア困難な患者様に対し、スタッフとともに科学的根拠に基づいた様々な理論を用いた総合的なアセスメント、ケア計画の立案・実施・評価をスタッフとともに行います。

2.コンサルテーション(相談)

スタッフからの相談依頼(患者様のケア、キャリアアップ、仕事上のストレスなど)に対して、面接などを通して共に考え、問題解決を目指します。

3.調整

スタッフ間、多職種間の協働が促進されるよう医療チーム内・医療チーム間の関係調整、連携の強化、合意形成の支援を行います。

4.倫理調整

医療現場におけるさまざまな倫理的課題を明確にし、医療チームやスタッフ自身が解決に向かえるよう調整、倫理教育を行います。

5.教育

院内教育研修の企画、運営、評価への支援や、研修の講師、スタッフのキャリアアップ相談、院外での教育活動などを行います。

6.研究

患者様のケアの向上のための研究活動、看護実践現場への新たな知見の紹介、スタッフの看護研究への支援を行います。

専門看護師の紹介

精神看護専門看護師 春日飛鳥

私はこれまで総合病院精神科の急性期病棟、精神科外来、精神科特化型訪問看護ステーションで精神障がいをもつ人のケアや生活支援全般に携わってきました。中でも、人生に苦悩する長期入院者や、地域でたくましく生活する当事者たちとの出会いから、精神障がいをもちながらもその人らしい人生を取り戻す「リカバリー」志向の支援について深く考えるようになりました。2011年に大学院に進学し、2013年に当院に就職、同年に精神看護専門看護師の資格を取得しました。
まずは、専門看護師の活動基盤作りから始め、管理者やスタッフの理解を得て信頼関係を築きながら、様々な相談を受けるようになりました。2014年からは教育課長を兼任し、教育委員会の運営を通して教育体制を整備し、全スタッフの資質向上に努めています。
日本は「入院中心から地域生活中心へ」と大きな転換期を迎え、精神科病院も「脱施設化」に向けて大きく変化していかねばなりません。支援者自身が、「当事者のリカバリー」という視点から、支援姿勢を見直す必要があります。当院においても特に退院支援や訪問看護、デイケアに「当事者のリカバリー」の視点を最大限取り入れるために、「ストレングスモデル」「オープンダイアローグ」といった近年注目されている支援技法をスタッフとともに学んでいます。
また、当事者やご家族の権利を最大限尊重するために、倫理委員会の運営を通して院内の倫理システムを整備し、スタッフの倫理的感受性を高める倫理研修や、倫理分析ツールを用いた効果的な倫理カンファレンスの支援に力を入れています。

活動レポート
【院内活動】

  • CNS相談室における相談活動
  • 教育委員会 副委員長
  • 倫理委員会 副委員長
  • 看護教育委員会 副委員長
  • 看護倫理委員会 副委員長
  • 意味ある議論の場にするための検討会 代表
  • 医療サービス質改善委員会 副委員長
  • 統合失調症家族教室 講師
  • 「精神障がいのリカバリー」「精神科医療の倫理」「看護研究文献レビュー」研修 講師

【院外活動】

  • 山梨県看護協会の研修講師
  • 山梨県看護協会東山梨支部 研修講師
  • 日本精神科看護協会山梨県支部 研修講師
  • 山梨県立大学看護学部 特別講師
  • 精神科病院における研修講師
  • 日本専門看護師協議会 専門看護師活用促進委員
  • 山梨県精神看護CNS研究会 代表

【研究業績】

  • 横森ひろ美,春日飛鳥,加々美徳仁,佐藤富明(2014):高校生対象の統合失調症出張講座による疾患に対する認識の変化,日本精神科看護学術集会誌,57(1):488-489.
  • 渥美一恵,服部国江,竹居由香利,春日飛鳥,長坂暁恵,山田光子(2014):精神科デスカファレンスでの家族の思いの振り返りとその意味~デスカンファレンスに参加した看護師へのインタビューを通して~,平成25年度山梨県立大学研究費助成研究成果報告書.
  • 渥美一恵,竹居由香利,長坂暁恵,服部国江,春日飛鳥,山田光子(2014):デスカンファレンスで共有した共有した家族の思いとその意味~デスカンファレンスに参加した看護師へのインタビューを通して~日本精神科看護学術集会誌,57(3),49-53.
  • 渥美一恵,服部国江,長坂暁恵,竹居由香利,春日飛鳥,山田光子(2014):デスカンファレンスで共有した家族に関する看護師の思いとその意味~デスカンファレンスに参加した看護師へのインタビューを通して~,日本精神科看護学術集会誌,57(3),54-58.
  • 渥美一恵,春日飛鳥,長坂暁恵,竹居由香利,服部国江,山田光子(2014):デスカンファレンスを通して看護師が捉えたターミナルケアの課題~家族についての看護師へのインタビューから~,日本精神科看護学術集会誌,57(3),59-62.
  • 春日飛鳥,中谷春香(2017):精神看護専門看護師による精神科病院の組織変革に関する記述的研究,第4回日本CNS看護学会プログラム・抄録集,83.
  • 春日飛鳥,清水惠子(2017):デイケアに通所しながら地域で生活する統合失調症患者が生活の見通しを立てる体験,日本精神保健看護学誌,印刷中.

CNS相談室
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