リラクセーション法(呼吸法)の紹介
心理相談(カウンセリング)では、不安や緊張、恐怖について話し合い、 その対処法の1つとしてリラクセーション法を練習することがあります。
リラクセーション法とは心身の緊張を緩和し、効果的に整えることを目的としています。 リラクセーション法は「自律神経」といわれる調節部分に働きかけ、 身体、気持ち、感覚、考えなどをコントロールしていきます。 そのなかでも、「呼吸法」は簡単で、場所や状況を選ばずに実施できる点で優れています。
【呼吸法の準備】
呼吸法の練習を行う際は、落ち着いた環境を作りましょう。 照明を暗くしたり、窓を開けたり、適温に保ちましょう。 お気に入りの音楽や好きな香りなどで心地よい空間にすることも大事です。 しめつけが強いもの(時計、ベルトなど)を外し、 気になる用事(トイレ、空腹など)は済ませましょう。
【呼吸法の実践】
呼吸法は「腹式呼吸」が基本となります。 おへその少し下に手を当てたとき、その手が動くくらい、 お腹に空気をためるようにしましょう。
- 姿勢を確認しましょう。 イスの場合は座面の手前に浅く座り、両手をだらんと下げて、 両ひざの上におきましょう。 寝ている場合は手を体の横につけたり、お腹の上においたりして、 肩や体の力を抜くようにしましょう。
- 1・2・3と数えながら鼻からゆっくり息を吸いましょう。
- 軽く息を止めましょう。
- 4・5・6・7・8と数えながら、口から息をゆっくり吐きましょう。 (目の前のろうそくの火を消さないようにそーっと長く息を吐くイメージです)
- 2秒間ほど間を空けて、2.から繰り返しましょう。
- 呼吸法の後、こころや身体の状態を観察してみましょう。
【実践の工夫】
出来るだけ長く吐くことに集中しましょう。 また、呼吸法をする際に、ご自身がリラックスできるイメージを用いると 深い呼吸がしやすくなります(例:緑の草原、静かな湖畔など)。 毎回同じイメージを用いると、イメージが深い呼吸へのきっかけになります。
リラクセーション法は、漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)や 自律訓練法などさまざまな方法があります。 ご興味をお持ちの方は、臨床心理課へお声がけください。 自分にあったリラクセーション法を身につけ、「体と心の緊張がゆるみ、リラックスした状態」を 自分自身で感じられるようになっていただけるといいなと思います。
執筆:臨床心理士・公認心理師 小野
更新:2021.07.31